’19年 特別協賛|株式会社シゲル工業
理美容ハサミや工業用刃物、ご家庭用の刃物など、長年培っていたノウハウを生かし製品開発・製造を行う刃物製造のプロフェッショナル。
プロが愛用するハサミを作り続けるシゲル工業が持つ、こだわりとは?
業界内で高く評価される、株式会社シゲル工業の理美容ハサミ。人間が可能な限り自然な状態で動けるように設計され、その使いやすさに多くのプロから高い支持を得ています。
そんなハサミを作ることができるのは、技術にとことんこだわっているから。特殊な熱処理や多くの加工特許など80以上の工程を経て製作。しかも、その5割が手作業で行われ、職人が一本一本丁寧に刃研ぎして仕上げています。家庭にいながらにして、理美容室に行ったときのような切れ味が体感できるのです。
その作り方には、数々の工夫があります。一般のハサミは刃が交わるときに全面触れ合うことで切りますが、その反面刃当たりが悪くなり、刃が削れることも。しかし、シゲル工業のハサミは、片刃をU字に加工することで刃を面でなく、点で切る手法を取っています。そうすることで、驚くほど軽くスッと心地よく切ることができるようになりました。
さらにシゲル工業は、製品を作ったあとの検査も一切の妥協を許しません。湿気を帯びたティッシュペーパーを音もなく鮮やかに切る検査。一見簡単そうに思えますが、刃にわずか数ミクロンの傷や歪みがあると、ティッシュはすぐに破けてしまいます。それほどまで「どうすれば使いやすくできるのか」をとことん追求して作っているのです。
純粋な興味がものづくりへと向かわせた
そんなシゲル工業の創業は、昭和51年。当時は理美容ハサミではなく、スライサーやピーラーなどの調理器用刃物からスタートしました。初代藤田茂氏は、農家の6男の生まれでしたが、幼い頃からメカ好きで機械に慣れ親しんできました。昭和30年代になると、兄弟の手助けをするため、ナット作りを開始。関われば関わるほど、ナットの奥深さに魅了されていきました。
そこで気づいたのは、金属を高温状態から急冷させる「焼き入れ」の重要性。その焼き入れを研究し続けた結果、昭和51年に兄弟のもとから離れ、独立。焼き入れの知識をもとに刃物製造の道を歩みます。
幼いころからのメカ好き、決して諦めることのない心。この二つは、ぶれることなく、今でも会長の心が、社長に、そして社員へと引き継がれています。だからこそ、多くのプロから愛用される切れ味の良い鋏が生み出され続けているのでしょう。